湘南ベルマーレの選手たちが子どもたちに夢を語る授業「ベルせん」が、10月7日に茅ヶ崎市立小和田小学校で開催された。
この取り組みは、選手が小学校を訪れ、夢を持つことの大切さや、その夢を実現するために必要なことを伝える授業として、2012年から続いている。茅ヶ崎市内の小学校で行われたのは、今回が初めてのことだった。
この日、小和田小学校には、根本凌、髙橋直也、松村晟怜の3選手が訪れ、6年生の生徒たちを対象に授業が行われた。特に根本にとっては、母校での訪問ということもあり、特別な思いがあふれるひとときとなった。
子どもたちと夢を語り合う特別な時間
子どもたちと選手がリフティングで交流
まずは、選手たちが自己紹介を行い、続いてボールを使ったリフティングチャレンジが始まった。選手たちが「サッカーに自信のある人、前に出てきて」と声をかけると、子どもたちと選手が輪になり、30回のリフティングを目指してカウントを開始。最初のチャレンジで見事30回を達成し、会場は歓声に包まれた。
その後、クラブスタッフの猪狩佑貴氏が、選手たちにいくつかの質問を投げかけた。「プロを目指し始めたのはいつか?」という質問に対して、それぞれが自身のサッカーとの出会いや、夢を追いかける過程を語った。
選手たちが夢を追い始めた瞬間
根本は、小学3年生のときに小和田FCでサッカーを始め、ベルマーレの試合を観戦して次第にプロに憧れるようになったと話す。「気がつけば夢中でサッカーをしていて、負けず嫌いなところもあって、誰にも負けたくないという気持ちがあった」と、その頃から芽生えた勝負へのこだわりを振り返った。
松村は、小学1年生のときにサッカーを始め、毎日のように自主練習を重ねていたという。「ボールに向き合い続けたからこそ、今プロとしてやれているのかな」と語り、基礎を大切にした積み重ねの重要性を示した。
髙橋は、「小さい頃は、ただ楽しくサッカーができればいいくらいだった」と振り返りながらも、次第にプロへの意識が芽生えてきたと話す。彼にとって、サッカーを楽しむことが上達のカギだったという。
試合で意識していることとは?
髙橋、松村、根本が語る試合での心構え
参加した生徒からの「試合で意識していることは?」という質問に対して、髙橋は「何も考えず、無我夢中で頑張っている」とシンプルな答えを返し、松村は「目の前の相手に負けない強い気持ちで挑む」と、DFとしての意識を明かした。根本は「どうやって点を取るか、それを考えながら自信を持ってプレーしている」と、攻撃的なポジションでの思考を共有した。
最後に、「好きなことを上達させるにはどうすればいいか?」という質問が飛び出すと、髙橋は「やり続けること」と強調し、松村は「夢に向かって少しずつ目標を設定し、その成長を感じながら進むことが大切」と答えた。根本もまた、「好きなことに対してひたむきに取り組み続ければ上達していける」と語り、子どもたちにエールを送った。
選手から学んだ夢を追いかける姿勢
授業を通じ、子どもたちは選手たちから直接夢を追いかける姿勢を学び、刺激を受けた。特に根本にとっては、母校での特別な一日となり、地元の子どもたちに自身の経験を語る時間は格別なものだった。湘南ベルマーレの「ベルせん」は、今後も多くの子どもたちに夢を届け続ける。
【プロフィール】
- 根本凌 2000年2月3日生まれ、神奈川県茅ヶ崎市出身。サッカー歴:小和田FC→シュートジュニアユースFC→上田西高校→鹿屋体育大学→湘南ベルマーレ→栃木SC→湘南ベルマーレ ※2020、2021 特別指定選手(湘南ベルマーレ)
- 髙橋直也 2001年5月28日生まれ、大阪府門真市出身。サッカー歴:アクバスSC→ガンバ大阪門真ジュニア→ガンバ大阪門真ジュニアユース→ガンバ大阪ユース→関西大学→湘南ベルマーレ ※2023 特別指定選手(湘南ベルマーレ)
- 松村晟怜 2003年12月3日生まれ、新潟県南魚沼出身。サッカー歴:六日町サッカージュニア→FC大和ジュニオルス→長岡Jrユース→帝京長岡高校→湘南ベルマーレ
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【取材こぼれ話】
根本凌「小学生の頃、ベルマーレのスーパークラスに3年生から5年生まで通っていました。以前、寒川にグラウンドがあり、そこがスーパークラスの練習場でした。学校が終わると一度家に戻り、自転車で30分かけて寒川まで行っていました。その後、別のスクールに通う日もあり、土日は小和田FCの試合に出ていました」